英語力ゼロからドイツ現地就職に成功した社会人のお話し

帰国子女や大学時代に留学経験がなく、社会人になってから英語力を身に着けてドイツに移住し、就職を成功させた人も数多く存在します。今回は、そんな成功モデルのうちの一人で、英語力ゼロ、海外経験ゼロから一念発起してドイツ就職に成功したUさん(仮名)の経験談を紹介していきたいと思います。

情報収集

Uさんは関東出身で、東京の大学を卒業しそのまま都内で就職し数年間卸営業としてキャリアを築いてきました。元々対人が好きだったUさんですが、ルート営業と新規営業の繰り返しで日々が過ぎていき、なにも他人に誇れるスキルが身につかないまま既に社会人として数年を過ごしてしまったことに焦りを感じ始めていました。また、職場環境は良好とはいえず、仕事と家との往復で、業務時間を越えてのサービス残業や土日の接待なども少なからず発生していたようです。

そんな、スキルの身につかず時間だけの過ぎていく労働人生にやや虚しさを感じたUさんは、ふと海外就職に興味を抱き始めます。特に、ドイツや北欧諸国など、ワークライフバランスに良い評判を持つヨーロッパに深い関心を抱くようになり、そこから下調べをおこないました。Uさんは会社を辞める前に、まずどのような条件であれば海外就職できるのか、そのために自分に足りないものはあるのか、のリサーチを開始します。

ブログ、Youtuber、ツイッター、世に出回っている情報にはそれこそ玉石混交のものが混ざり合っており、Uさんはヨーロッパに知り合いもいないため、確実に正確だと思える情報を取捨選択するのに時間を要しました。場合によってはブロガーや海外就職に成功したツイッターアカウントなどに直接コンタクトをおこない、ビザや就労条件など手あたり次第調査をおこないます。

  • ヨーロッパの中ではドイツが条件が良く、ビザ取得も容易
  • 日系企業が多く進出しているため、そういった企業群を狙えば採用の確率が高い
  • ドイツ語よりも、英語を優先させて勉強しておく必要がある

仕事の合間に半年近いリサーチをおこない、Uさんはこうした情報をつかみます。海外経験ゼロのUさんにとってもドイツ就職は不可能ではありませんが、そのためには英語力を身に着けることが重要であるとこのとき気づいたのです。

英語の勉強

日本で仕事をするサラリーマンにとって、いかに英語の勉強の時間を捻出するのかは永遠の課題かもしれません。Uさんも、平日の夜や土日を活用して英語の勉強を始めますが、どうしても残業や接待などで英語の勉強がはかどらないことなどもあり、焦りを募らせます。

もっとも、Uさんの場合、海外就職の最低ラインである「B2の英語力」を達成するために半年間の目標期間を掲げ、それまでにTOEFLで90点以上を取得することを目指しました。時には通勤中の電車の中で、時にはランチ時に単語帳を見返して、時には土日をフルにオンライン英会話でのレッスンに充てたりなど、今まで全く使ったこともなかった英語の再勉強に熱量を注ぎます。

語学の勉強は坂道のように投下した時間に比例して実力がアップするのではなく、階段のように一定期間ごとに顕著にレベルがあがると言われています。Uさんの場合、3ヶ月を過ぎたことから効果を実感し始め、半年を少し過ぎたころ、見事TOEFLで90点以上到達するという目標に到達しました。 

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ドイツへの就職活動

「英語のB2 を取得する」という海外就職のための最低ラインを達成したUさんは、続いてオンラインで現地のリクルーターにコンタクトをとりはじめます。「リクルーター制度とは?」の記事でも書いた通り、ドイツでは就職ポータルなどを通じた就職が一般的ですが、就労ビザ取得を要する日本人の場合、日系案件に詳しいリクルーターやエージェントを介しての就職が一般的です。また、現地にいなくても就職活動ができるという利点を持つため、Uさんは会社を続けながらドイツで就職活動をおこなうことができました。

仕事経験がないとはいえ、すでに英語B2 を獲得していたこと、不退転の覚悟でドイツに来たがっていること、まだ20代という若手だったこと、また日本での営業としての力量が優秀で、対人コミュニケーション能力にも優れていたことなど要因が重なり、Uさんは就職活動を始めて2ヶ月~3ヶ月でドイツ日系企業の海外営業職の内定を得ることとなります。特に、ドイツの20代での就職活動では、熱意がより評価される傾向にあり、あらゆる準備と条件がUさんにプラスに働いたのでしょう。

STEPSTONE社資料を元に作成

ネット上での人脈構築

ドイツ移住・渡航にあたって、現地の人間との事前の交友関係は大きくものをいいます。具体的には、ブログ、ツイッターなどでドイツ移住組を探し、直接コンタクトをとってみる方法です。実際にコンタクトをとってみてUさんが気づいた通り、ブログやツイッターを運営している人達は、この手合いの問い合わせには慣れっこのようで、ネットには出回っていない情報や詳細なアドバイスをおこなってくれる人もいました。

ドイツに移住してから右往左往するのではなく、Uさんは確実に連絡の取れる現地の友人を、オンラインを通じて作ることに成功しました。こうした実際の海外移住者の生の声は、Uさんのドイツ移住の大きな支えになったと言います。

特に、住居探し、仕事探しなど、現地人の助けがないと「詰む」ような場面が少なくありません。こうした際にさっと助け舟を出してくれる切り札として、積極的に人脈を構築しておいてよかったとUさんは語ります。

家族関係・交友関係の整理

最後に、ドイツ渡航前にUさんは日本での家族関係、交友関係の整理を行いました。ドイツにいる間に、日本の住所や電話番号がないと困るようなケースも多々あるため、Uさんは改めて家族に対しドイツで就職する旨、しばらく日本には帰ってこない旨を伝え、その間のサポートをお願いしたようです。

海外就職をするということは、新しい出会いに満ちた人生の1ページを開くことで、裏を返せば今までのキャリアや人間関係と決別することにも繋がります。Uさんは、過酷な業務ではありつつも、自身がキャリアの青春を過ごした東京を離れるとき、少し寂しい気持ちになったとのことです。

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