ドイツ日系企業の営業職の一日の流れについて

ドイツ歴5年のMさん(仮)の仕事はドイツの日系企業で北欧・南欧などヨーロッパの各拠点への営業です。日系企業とは言っても、従業員の大半がドイツ人で、社風や使用言語に関してはしっかりとローカライズされており、あまり「日系企業らしさ」を感じる場面も多くないかも知れません。

日本の大学を卒業したMさんは、日本でのキャリアを経て、ドイツでの同一業界への転職に成功します。ドイツに来る前は、ドイツの会社のことなど何一つ知らず、働くまで緊張しっぱなしでしたが、いざ働いてみると、日本と大差はなく、どちらかというと居心地の良いように感じらるというのがMさんの感想でした。

そんな、ドイツ転職の成功例であるMさんのドイツの営業職としての一日の流れを、時系列で紹介していきたいと思います。ドイツの営業職の業務詳細に関しては「ドイツの営業職って高収入?日本人が就職しやすい営業職種とは」の記事を参照ください。

出社

Mさんの会社は、出社は8時です。ただし、フレクシブルでの仕事が認められており、一日に8時間働くのであれば、9時出社で18時退社なども可能です。会社から車を借りており、家の玄関から会社のオフィスまで約30分ほどで到着します。フレクシブルのため、中にはもっと早くに出社し、早くに帰宅したがるドイツ人の姿も散見されます(ドイツ人は朝に仕事を済ませてしまうことを好む割合が多い)

上述のように出社時間はばらばらのため、出社しても、厳密にタイムカードや点呼などによる出社点検はありません。同じオフィスのドイツ人も、10分、20遅れてきたりと、管理体制が整っていない形とのことです。

オフィスにあるコーヒーマシーンが使用可能なため、朝の10分程度は同僚ものんびりとコーヒーを飲んだり、朝ご飯を食べたりする人もいます。みな、メールを開きながらコーヒーを飲んで、ゆったりとした朝を迎えます。

ちなみにMさんの会社の服装ですが、これも決まった形はありません。ただ、Mさんの仕事は顧客を回ることが多いため、シャツ+スーツっぽい恰好でくるようにはしています。部署によっては(対外折衝の少ない部署に多く見受けられる)攻めたスーツなどで出社している人もいるので、そこまで厳密なルールはないのでしょう。

午前中

午前中は、溜まっているメールの確認などから始まります。朝早い時間は、日本の会社同様、みなメールチェックなどに充てるため、ミーティングなどをセッティングする人は多くありません。

また、割と緊急性の高い案件は午前中にやってくることが多いので、みな忙しなく動いている印象があるとのことです。ドイツの会社では、8時~12時までがいわゆる「午前」と呼ばれる時間帯で、この時間まではみな緊急性の無い用事を避ける傾向にあります。

Mさん曰く、営業としても午前中は基本的にメールチェックや外への対応に追われることが多く、バタバタするとのことです。ただし、契約によってはオフィスに出社しない人もいますし、部署ごとには顔を合わせない人もいるため、もしかしたら部署によっては落ち着いた雰囲気なのかもしれません、とMさんは語ります。

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ランチ

ランチの過ごし方はまちまちです。同僚とランチを食べにいくものもいれば、自分で弁当を作ってきて食べるものもいます。適当にそこらへんで買ってきたパンを食べる人もいますし、本当に人それぞれといった印象です。

Mさんの印象によると、ドイツ人はあまりランチに時間とお金をかけず、「食を楽しむ」というより「エネルギーを得るためにしょうがなく食う」といった感じのようです。質素なパンなどを齧りながら仕事し続ける同僚をよく見かけるとのことです。ちなみに、ドイツ人の中には朝食を一番たくさん食べ、次いで昼食、そして夕食はほとんど食べないという層も一定数いると、Mさんは笑って話してくれました。

一般的に、ランチ休憩は1時間ほどで、12時~13時に設定されていますが、ミーティングなどの関係でランチが取れなかったりの場合、それより早くランチを終えたり、遅くにとっても特に後ろ指をさされることはないようです。

午後

午後の仕事は、午前中の割とせわしない案件がはけたあとなので、少し一息つけることがあるようです。同僚とのミーティングや次年度の打ち合わせなど、「緊急ではないが重要な」用事は午前中よりも午後に入れ込む傾向にあります。Mさんの場合でも、内部でのミーティングが必要な場合は基本的に午後に設定するようにしているとのことです。ただ、午後はみなまったりした雰囲気なので、緊急性が高い際は当然午前中にミーティングを設定するのだとか。

一般的には、13時~17時がドイツの会社の「午後」で、眠くなる時間帯なのか、コーヒーを飲んだりタバコを吸ったりするドイツ人が目立ちます。

Mさんの仕事形態上、営業とは言え北欧の顧客を実際に訪問する機会は少なく、実際には外回りよりも社内でメールの確認や、受注の準備や、セールスアシスタントなどと打ち合わせをおこなって在庫管理するなど、裏方の業務が多くなる印象とのことです。出張の際にはあらかじめ日程を定めておいて、少ない日程でできるだけ多くの顧客を回れるような効率的な出張が望まれるとのことです。

退社

Mさんの会社の退社時間は、一般的なドイツの会社同様に17時で、この時間になると待っていましたと言わんばかりにみんなイソイソと家に帰るとのことです。ドイツの会社は部署ごとに部屋が分かれていることが多く、日本の会社のように他の顔を気にして帰れない、ということがないというMさんのお話でした。

繁忙期であっても日本のように死ぬまで残業、過労死とまではいかないので、やはりワークライフバランスの点でいくと恵まれているのではないでしょうか。同僚や顧客との飲み会、打ち上げといった文化はドイツにはないものの、Mさんのように日系企業であれば付き合い程度に飲み会や同僚との外出もおこりえるとのことです。

Mさん曰く、17時会社を出れば、遅くとも18時には家について寛げるわけで、そこからの夜の時間を家族と過ごせるのが重畳です。ドイツで国際結婚をしたMさんは、やはり家族との時間を尊重するようで、そういった意味で日本の会社でありながらドイツの会社と同じような労働条件で働ける日系企業は最適な選択であったと語ってくれました。

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