ドイツの就職面接で日本人がされやすい質問と回答一覧

ドイツの就職面接では、日本ではあまりされないような特殊な質問をされることが少なくありません。それぞれの質問の裏には日本とは異なるドイツ特有の意趣があり、これらの受け答えを間違えると、簡単に面接ではじかれてしまいます。

今回の記事では、ドイツ就職を志す日本人向けに、ドイツの企業で面接をするとどんなことを聞かれるのか、どのような回答が受けが良いのか、についてまとめていきます。

自身の自己紹介

まず最初に聞かれやすいことの一つに、「自己紹介」があります。当然、面接官はこちらの経歴を履歴書を通じて知っていますので、この「自己紹介」を求める背景には、どちらかというと応募者に対し「まずは自分の話しやすい事から話してね」という、アイスブレイク的な意味合いを含みます。

企業によっては1分、3分、といった形で時間を区切ってくるところもありますが、大抵の場合で、これら時間を遵守する必要はなく、多少足が出ても問題ありません。逆に、ドイツ人の中には夢中で自己PRするあまり、長く説明が続いてしまい、途中で面接官に待ったをかけられる、といったケースも見受けられます(それだけ熱意があるということで、好意的にとらえられることも多い)。

面接で「自己紹介」と言われた際に特に力を入れて話すこととしては、自身の学歴と職歴です。特に、職歴に関しては面接後半で再度詳しく突っ込まれますが、学歴やそれ以前の経歴に関しては、この自己紹介を場を借りて語ってしまうのが良いでしょう。

  • 大学の専攻
  • ドイツに来た背景
  • 簡単な職歴

これらを1分ないしは3分程度にコンパクトにまとめれば、自己紹介の部分は問題ないと言えるでしょう。過去の職歴が多い場合、特に現在応募するポジションと密接に関わっている業種と実績について語ればよく、全ての職種や経歴について長々と説明する必要はありません。

前職での履歴

さて、自己紹介と重複する部分が出てきますが、大体の面接では「前職で何をしていたのか」を続いて聞かれます。場合によっては、前職=直近の前の職場、ではなく、応募ポジションと密接に関連している職種のこともあります。

仮に転職を繰り返し職歴が多い場合、以下のことについて説明を求められます。

  • なぜこんなに転職が多かったのか
  • 一番この中で実績を残した会社はどこか

一つ目の質問に関しては、嘘をついてはいけませんが、かといって全てを懇切丁寧に説明するのも冗長というものでしょう。「キャリアアップ」「家庭の都合」といった理由での転職や退職は、ドイツの人事も好むところです。基本的には、人事側の納得できるような理論的な事由であれば問題ないと言えるでしょう。

二つ目の質問に関しては、文字通り自身のキャリアで応募先の職種と密接で、かつ一番説明のしやすい会社をピックアップする必要があります。ドイツの人事部からしたら、業務に直接関係のない内容についての説明は不要です。

現在のポジションに応募した動機

ドイツ企業が大きく評価する質問事項の一つが「なぜこのポジションを応募したのか」です。この質問には「応募ポジションのことをよく理解しているか」「期待値にギャップがないか」「期待と違った職種で、すぐに辞めてしまわないか」、という意図が込められています。

例えば、応募先の職種が貿易関係の職種で、かつ日本でも物流や貿易、フォワーダーなど類似職種や業種の経験が有ると、その類似点が動機として訴えやすい特徴があります。人事からしても、入社前の思い込みと実際の業務とのギャップとで応募者が会社を辞める心配が少ないため、やはり同一職種、同一業界の経験者は重宝される傾向にあるでしょう。

基本的には、「自分の強みを貴社で活かせるからです、こうこうこういう理由です」という論法で訴えると、人事の心をつかみやすいと言われていますね。

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将来のキャリア

こちらも、入社後の期待とギャップについての質問になります。企業でどういうステップを踏みたいのか、どういう仕事生活を期待するのか、というのも面接時に聞かれやすい内容です。

ドイツの就職界隈でよく使用される動機には、「チャレンジがしたい」「キャリアアップがしたい」といったポジティブなものがあります。そのため「仕事を通じて自身の軸となるような強みを身に着けていきたいため、チャレンジングな仕事にはどんどんアサインさせてほしいこと、それが難しく見えてもやり遂げていきたい」といった前向きな姿勢は高評価を得やすいでしょう。

ちなみに、ドイツではサラリーマンの生き方は二つあり、「まったり、そこそこの給料で生きていく」パターンと「激務で高給」のパターンです。後者を選ぶ場合、労働者天国のドイツには似合わないような休日出勤や時間外残業が必要になることもあります。年功序列形式の日本とは異なり、30代、40代を過ぎると次第に出世争いをギブアップし、平社員で一生を終える「のんびりとした」働き方を選ぶ人が少なくありません(参考: Step Stone

どれくらいの年収を希望するのか

非常に答えづらい質問の一つですが、ドイツで就職面接する際には必ずと言っていいほど聞かれるため、準備が必要です。無難な回答としては、前職の給料を引き合いに出して、それと同等か、ちょっと多いくらいであればいいですよ、という論調です。

別のいい口としては、サイトなどを活用して同業種、同キャリアにおける年収レンジを調べ、それを引き合いに出す方法です。学歴、職歴、会社の規模など様々な要因によって給与は変化するため、この辺は考慮に入れておくべきでしょう。

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なぜドイツに来たのか

最後に、日本人応募者特有の質問かと思いますが、「なぜ貴方はドイツに来たのですか」「ずっとこっちで暮らすつもりですか」という質問もよくされます。これは、裏を返せば「貴方はすぐに辞めて日本に帰ってしまったりしませんよね」という意味合いを持ちます。

そのため、人事の人が安心するような具体的な理由を説明できれば理想的でしょう。例えば配偶者がドイツ人である、ドイツに家がある、ドイツで永住権を持っている、などなど。

こうした人事を納得させられるような強固な理由はありませんでしたが、自身の半生と、不退転の覚悟でドイツに来た旨を熱意をもって説明すれば、理解してもらえることが多くありあります。

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