【5分で分かる】ドイツ就職でオンライン面接を受ける際の流れ

COVID2019の拡大を受けて、過去3年間でドイツにおけるビデオ面接のプレゼンスはコロナ以前と比較して飛躍的に拡大しました。ドイツの厳格なロックダウン規制が呼び水となり、2020年にはオンライン面接を経験したドイツ企業の数は81%にものぼったのだとか(Statista調べ)。

ドイツ社会におけるオンライン面接の拡大傾向は、ドイツでの就職を志す日本人応募者にとっても追い風になりつつあります。今までの「面接に当たっては実際に会わないと分からない」といった古風な考え方をもっていた人事担当者も、オンラインによる面接を受け入れる土壌が整いつつあり、日本国内からドイツへの応募も可能な時代になっています。

もっとも、オンラインによる面接が可能になったからと言って、日本社会でオンライン面接を受けるのと同様の心構えでいては内定を得ることはできないでしょう。日独の文化差を踏まえた、正しいオンライン面接の準備、手順について解説をおこないます。

オンライン面接の目的と概要

オンライン面接の大きな特徴は、面接官、応募者ともに時間とコストの短縮に繋がるという点で、効率化を好むドイツ社会で広く浸透しつつあります。この傾向には、ドイツ企業だけでなく、ドイツに進出している日系企業やアメリカなど多くの多国籍企業間も追随する形となり、各社がオンライン上で激しい人材獲得競争に鎬を削っています。

特に、今までは遠隔地からの応募ということで後回しにされていた海外からの応募者が、このオンライン面接発展の恩恵に預かる形でしょう。日本からの応募となると、対面での面接を好む企業からは敬遠されてきましたが、オンライン面接の浸透によって、こうした地理的不利が解消されつつあります。実際に、現地に進出する日系優良企業の中にも、現地ドイツからではなく日本から応募者を募るケースが増えてきました。

基本的には、対面であろうとオンラインであろうと面接の目的は「優良な応募者の採用」であって、使用されるツールは異なれど原則的な部分は変わりません。そのため、面接時にされる質問や面接官の見極めたいポイントなども、対面とオンラインとで違いはないと言ってよいでしょう。

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オンライン面接に際して応募者が注意しなくてはいけないのは、その面接内容ではなく面接に至る「事前準備」になります。Wi-Fiの通信速度は十分か、ソフトウェアのインストールは必要ないか、マイクロフォンは正常に機能するか、等々。こういった下準備をおろそかにしてしまうと、重要な面接そのものが台無しになってしまう危険性があるのです。

オンライン面接の基本ポイント

  • お互いに時間的制約を軽減できる
  • 移動時間や交通費を削減でき、場所を問わず優秀な応募者を募れる
  • 原則的に、質問内容などに違いは無い
  • 面接を成功させるために、面接環境の設定が重要

事前準備

面接を成功させるためには、事前準備を入念におこなうことが肝要です。オンライン面接はすでに経験したことあるから大丈夫、といって高を括るのではなく、慎重すぎる準備をしても損はありません。ドイツ人のよく口にする「Sicher ist Sicher(用心に越したことはない)」の精神に倣って、今一度チェックポイントを確認していきましょう。

プラットフォーム

面接、あるいはドイツのビジネスシーンで頻繁に用いられるソフトウェアは「Teams」「Meet」「Zoom」「Skype」などです。基本的にはログインなしで、URLさえあれば使用できるソフトウェアが好んで用いられますが、あらかじめ該当のソフトウェアをダウンロードし、事前に動作確認をおこなっておくとスムーズでしょう。中には、使用時にアップデートを求めるソフトウェアもあるため、既にダウンロード済みだからと気を抜かずに、面接当日に今一度確認しておきましょう。

また、すでにアカウントを持っている場合は、ドイツの面接官が読みやすいようにアカウント名を日本語からアルファベットに変換しておくことをお勧めします。その際に、軽い感じのプロフィール画像などになっていればインタビュー用のものに変更しておくと良いですね。

設定確認

カメラとマイクが正確に作動するか、はオンライン面接に臨むにあたって最も重要な注意事項になります。折角書類選考を突破して面接に臨んでも、マイクロフォンが作動せずに会話にならず、気まずい思いをしてしまう事態は避けたいところです。

各ソフトウェアには、あらかじめ内蔵の(あるいは外付けの)カメラやマイクロフォンが機能しているのか確認する機能が用意されています。また、これでも不安な場合、友人などに協力を依頼して「模擬面談」を実施してみるのも良い考えではないでしょうか。備えあれば憂いなしです。

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Wi-Fi環境

ソフトウェアや解析度によって異なりますが、ドイツの通信会社によって推奨されるオンラインミーティングの際の通信速度は5 MBit/s前後(解析度HD 1080pの場合)であり、おおむね日本の通信会社によって推奨される通信速度と同水準と言ってよいでしょう。

特にドイツ語や英語など、母国語以外で面接を受ける場合、ちょっとしたノイズやラグが聞き取りの際に命取りになることも考えらます。Wi-Fi環境は考えられる限りでベストなコンディションを準備しましょう。

服装

ドイツのオンライン面接に臨む際の服装に関しての答えはシンプルで、「実際の面接に臨む際と同じ服装」が好まれます。もっとも、実際の面接に臨む服装が何を示すのかと言うと、会社によりけりという曖昧な答えになるでしょう。というのも、ドイツ社会にあっては就職や転職にあたって判を押したような一辺倒のテンプレートが用意されているわけではなく、あくまで「その社風に適した」服装が好まれると言われているからです。

  • 固い企業であればクラシックな服装(無地のスーツ、ネクタイ、シャツ)
  • 軽い雰囲気であればカジュアルな服装(ジャケット、シャツ)
  • ドイツの日系企業に応募するのであれば日本スタイル(スーツ&ネクタイ)

男性候補者がネクタイをすべきかどうか、に関してはドイツ人の間でも意見の分かれるところですが、必要かどうか分からない場合はつけておいた方が無難でしょう。

カメラ背景

カメラ背景に映るものでプラス評価になることはありませんが、マイナス評価になることは多々あります。散らかった机、汚い部屋、壁に貼られたプライベートの写真などがそれに該当するでしょう。その意味で、カメラ背景は凝った作りを用意する場というより、減点を食らわないようにできるたけシンプルで、ニュートラルなものを誂えるのが無難と言えます。

無地の壁やシンプルなデスクなどで、その他の余計なモノがビデオに映らないような角度をあらかじめ調整しておけば、カメラ背景に関して特に言う事はないでしょう。

このような煩雑な背景はNGです!

その他

その他、オンライン面接の「邪魔」になりえる要因は、考えられる限りで排除しておくべきでしょう。具体的にはペット、子供、隣人の掃除機や電話の音などで、こうした要因は事前準備によって対応できます。

  • ペットが居れば誰かに預ける
  • 子供も同様に、誰かに面倒を見てもらう
  • 隣人がうるさいことが予想できる場合、予め面接がある旨を伝えておく
  • 携帯や固定電話の音はサイレントにしておく
  • 配達などのスケジュールを組まない

ここまで入念な準備をおこなっていても、中には「近くで戦時中の爆弾が見つかったので、周辺の住民は避難してください」といった不運なイベントが発生してしまうことも(NRW州では2019年に2000個近い不発弾の処理がおこなわれました)。さすがにそうした場合には面接官も状況を考慮してくれることでしょう・・。不測の事態に備え、常に近くに「スマホ」を待機させておきましょう。

面接

上述の通り、オンライン面接で聞かれる内容と一般的な対面面接で聞かれる内容にほぼ違いはありません。「スモールトーク」→「自己紹介」→「面接パート」→「質問パート」という、日本の就活シーンなどでも良く目にする、ごく普通の面接風景が繰り広げられるはずです。違いがあるとすれば、最初の「本日は遠路はるばるお越しいただきありがとうございました」というスモールトークのくだりがカットされる程度でしょう。

もっとも、注意すべきはその内容ではなく、オンライン面接ならではの入り方と面接の終え方、ということになります。

面接の始まり

ドイツ社会では原則、アポイントで時間指定されたらその時間通りに到着することが習わしです。面接が14時であれば、13:55でも14:05でもなく、ぴったし14時に到着することが美徳とされているわけです(一説には、早く着きすぎてしまうと相手の準備がまだ整っていないため、逆に迷惑になるという考えから)。

もっとも、オンラインミーティングの場合、待機だけしておいて、ルームに入ることを許可するのはホスト側の準備ができてからなので、システムの万が一の不具合なども考慮して早めに入室しておいても問題はありません。一般的には、就職面接の場合5~10分程度前には待機しておくことが吉とされています。

面接の終え方

会社やポジションによりけりですが、一般的にドイツの面接時間は1時間前後と言われています。もっとも、30分で終わることもありますし、90分程度かかることもあるので、長くかかるものとしてその日のスケジュールを組んでおくと良いでしょう。

面接終了は、会社やポジションに対する質問事項とその後の選考プロセスへの言及で終えられることが多いでしょう。オンライン面接の終え方に関して厳格なルールなどはありませんが、相手がルームを退室してから自身も退室すると丁寧と見なされます。

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